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曹操ハード

 赤壁にて大敗を喫し無様に潰走するも、何とか一命を取り留める曹操。
   しかしそれは孔明な罠だった。
   「はぁっ、はぁっ・・・ここまで来れば・・・」    ジャーンジャーンジャーン!    「げぇっ!関羽!」    「ようやく見つけたぜ子猫ちゃん、みんなもお待ちかねだったぜ!」    「囲まれた・・・!いけない・・・これは・・・!逃げられない・・・!」    「生曹操様の生首を頂いてもよろしいでしょうか?」    「曹操様の首は私たちに取られる為にあったんですものね」    「戦ってる時からずっとこの首を取るのが楽しみだったんだ」    「くやしい・・・!いつもの戦力があれば・・・!こんな雑兵なんかに・・・!」    一時は助かった油断からか、曹操は普段では考えられないミスを犯してしまう。    結果、迂闊にも蜀軍に捕まってしまった曹操。しかしこの時、いまだその眼には微かな光があった。    ・・・これから起きる絶望の惨劇を知らずに。    (いつか必ず魏軍の仲間が助けに来てくれる・・・その為にも耐えなきゃ・・・!今は耐えるしかない・・・!)  「なんだぁ?まだ反抗的な眼をしてやがるな、先生に来てもらうか。おい、ちょっと呼んでこい」    「誰が来ようとも・・・ワシを殺る事はできないわ!」    「へへへ、そんな態度取ってられるのも今のウチだぜ。おっと来た来た、先生の登場だ」    「あ、貴方は諸葛亮・・・!どうしてこんな所に・・・」    「ふふ、貴方が捕まったと聞いてね。本陣から飛んできましたよ」    「おい、鞭(べん)を用意しろ。みんなで折檻してやるぜ」    (駄目・・・!いけない・・・これは、危険すぎる・・・!)    諸葛亮達の激しい攻めが始まる。    はじめは気丈な態度を取っていた曹操であったが、徐々にその相貌から正気の色が失われてゆく―――。    「ひぎぃ!らめなのぉっ!」ビクッ ブルブルッ  「おいおいまたトンじまったのか、へへへ」    「ふふ、だらしの無い顔をして、覇王と呼ばれた貴方もこうなっては形無しですね」    「くっ!貴方さえいなければ・・・負けていなかったのに・・・!」    「良かったじゃないですか、私のせいにできて。さあ関羽殿、その馬鹿みたいに長い髭が役に立つときがきましたよ」    「おい、俺の円月刀を持ってこい。盛大に逝かせてやろうぜ」    「やらぁ!逝くのやらのぉ!お願い、もうやめれぇ!」ビクビクッ    「へへへ、遂にあの曹操がおねだりを始めたぜ・・・」    それから曹操は魏軍の仲間によって救出された。