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童話『おっぱいがいっぱい』

 むかしむかし、とある所に、おっぱいの小さなおんなのこがおりました。
 おんなのこはおっぱいが小さいことをいつも気にしていて、いつも「もっと大きいおっぱいがほしいなあ」と思っておりました。
 
 ある日のことです。
 おっぱいの小さいおんなのこはその日、ふしぎなゆめを見ました。
 ゆめの中に、とってもでっかいおっぱいが出てきてこう言うのです。
 「おっぱいが大きくなりたいかい?」
 おんなのこはおどろきました。だって、おっぱいが話をしているんですもの。これにはスタッフも思わず苦笑いです。
 「あなたはだれ?」
 おんなのこは聞きました。
 するとおっぱいはそれには答えないで、その大きなからだをプルプルゆらしながら、また「おっぱいが大きくなりたいかい?」と言いました。
 おんなのこは少しだけ考えて、それからおずおずと「なりたい」と答えます。
 すると大きなおっぱいはいっそう体をプルプルさせながら、「じゃあ、大きくしてあげるよ」と優しく言いました。
 
 目が覚めると、おんなのこはとってもおどろきました。
 だって、あんなに小さかったおっぱいが、まるで極乳AV女優みたいにとっても大きくなってるんですもの。
 おんなのこは思わず、おっぱいをはずませながらとびはねてよろこびました。「これでバカになんてされないわ」
 
 そうしておんなのこは、爆乳生活をはじめました。
 おんなのこの友だちは、その爆乳を見るたびに「デケぇ、アフロダイのミサイルみてぇに乳がぶら下がってる」とおんなのこを口々に囃し立てました。
 おんなのこはそれを聞いて「やっぱりおっぱいは大きいほうがいいなあ」としみじみ思いました。
 
 ですが一日経って、二日経って、それから一週間が経つと、おんなのこはだんだんと考えをあらためはじめました。
 あるときおんなのこはかけっこをしました。おんなのこはかけっこが大のとくいで、ぜったいに負けるわけがないと思っていました。
 ですがいざ走りはじめてみると、大きな大きなおっぱいが、ばいんばいんと弾んで、おんなのこはうまく走れませんでした。
 それでけっきょく、おんなのこはビリになってしまいました。
 
 またある時おんなのこは、えんそくに行きました。
 おんなのこはいつもえんそくのとき、いちばんに目的のばしょに着くことができました。
 ですが大きな大きなおっぱいが、とってもとっても重くて、もうへとへとです。
 けっきょくおんなのこは、いちばんさいごに目的のばしょへ着いてしまいました。
 
 ほかにも、おフロでつかうじかんが前よりも長くなってしまってだいすきなアニメを見過ごしてしまったり、
 だいすきなおとこのこに搾乳ぷれいをせまられたりしました。
 
 おんなのこは家のつくえにおっぱいを載せながら、いままでのことを思い出しました。
 そしてとうとう怒りが有頂天になりました。
 「こんなおっぱいなんて、もういらないわ!」
 するとどうしたことでしょう。おんなのこはきゅうにねむたくなってきたではありませんか。
 そのままおんなのこはつくえにセルフおっぱいまくらで寝落ちしてしまいました。
 
 おんなのこはゆめの中で、あの大きいおっぱいに会いました。
 おっぱいは、あいかわらず大きくて、あいかわらずプルプルしています。
 「大きなおっぱいになって幸せだったかい?」
 おっぱいは言いました。
 「ぜんぜん幸せじゃなかったわ」
 おんなのこはじぶんのおっぱいをプルプルさせながら答えます。
 それを聞いたおっぱいは、ちょっと困ったように体をプルプルさせました。
 「大きいおっぱいが良いと言っていたのに、なにが気に入らないんだい?」
 「だって、重くて早くかけっこできないし、重いからつかれるんですもの」
 おんなのこはじぶんのおっぱいを突き出して、おっぱいに言いました。
 「ねえ、おねがい、わたしのおっぱいを元にもどして。わたし、元のままがいい」
 するとどうしたことでしょう。ピカピカとおんなのこの乳頭が光り出したではありませんか。これには視聴者もおどろきを隠しえません。
 おんなのこがびっくりしていると、めのまえのプルプルの大きなおっぱいはその大きな体をプルプルさせながら、
 「じゃあもどしてあげるよ」
 とプルプルなのをプルプルさせながらプルプルしたおっぱいをたくさんプルプルプルプルとプルプルしました。
 
 つぎの日、おんなのこが目をさますと、いままでのできごとがまるでウソだったみたいに、おっぱいが元の洗濯板にもどっていました。
 友だちはみんな、「空気抜けた?」「あんマン?」と口々に囃し立ててきましたが、おんなのこは気にしていませんでした。
 だいすきなおとこのこは、もう挟めないけれどこれはこれで、と言っていましたが、おんなのこは気にしていませんでした。
 きょうもおんなのこは、えがおでげんきよく家から飛び出していきます。
 「いってきまーーす!」
 おやおや、そんなにいそいだりして、転んでももうおっぱいエアバックはありませんよ?
 でもいいんです。おっぱいなんてなくたって、転んだってまたげんきよく起き上がればいいんですから。
 
 おしまい。